特集・チーム紹介・対談
テクノロジーの力で、ストレスフリーな国際貿易を。
- 2022/10/05
今回は、Luatsu(ルーツ)との共同記事として、テクノロジーを駆使したフォワーディング事業を行う権藤さんに、起業のきっかけや現在の事業について伺いました。
Luatsuに掲載した記事はこちらからご覧いただけます。Luatsu版では権藤さんの学生時代、起業前の苦労、ベトナム進出、今後のビジョンなどについてインタビューしておりますので、併せてご覧ください。
権藤 勇樹さん
株式会社Portrich 代表取締役大学卒業後3年間貿易業界で勤務した後、退職し、2020年12月末に株式会社Portrichを起業。独自の国際物流プラットフォームサービスを提供してフォワーディングを行いながら、サプライチェーンのDXを図っている。
Portrichの事業について
●Portrichはどのようなサービスを提供していますか?
弊社は独自に開発した国際物流のプラットフォームサービスを用いたフォワーディングで、お客様に素早くて簡単な貿易体験を提供しています。
国際物流の業界では、輸出者/輸入者間でコミュニケーションに齟齬が発生する問題、リアルタイムでの貨物の位置情報の把握が困難な現状、船会社ごとの料金やスケジュール比較ができない実態などが見過ごされてきましたが、私たちのサービスではこれらの問題を解決し、生産性、操作性、透明性の高いフォワーディングを可能にしています。
●どのような点がPortrichの特徴や強みなのでしょうか?
貿易の際の見積、受発注、トラッキングなどが一面でシームレスに完結できる点です。具体的には次の3点です。
1)取引者間における出港、到着、遅延連絡に関する連絡の自動化。
2)見積や船舶の予約、トラッキングなどに割かれていた時間の削減。
3)船会社ごとの料金やスケジュールの確認も一面で実行できるように設計。
これらの特徴によって、従来のフォワーディングと比べて、手軽でストレスフリーな顧客体験を提供できるようになっています。順調にお客様も増えており、これから更にPortrichのシステムを使っていただける企業を増やしていく予定です。また、年内には海外拠点(ベトナム)も設立し、海外での支援も加速していきます。
※海外展開についての詳細は、Luatsu版で詳しく伺っています。併せてご一読ください。
起業に至るまでの経緯
●どのような体験がきっかけでPortrichのビジネスを思いついたのですか?
大学卒業後3年間勤めた貿易会社で、国際物流のサプライチェーンをDXする必要性を感じたことがきっかけです。
そこで実感した問題というのは、既存のフォワーディングシステムの手間や不便さでした。
例えば、輸出に関していうと、まず私たちの方でお客様のご要望にあった船会社を探し出さなくてはいけません。船会社のスケジュールがお客様のご依頼の日時と合わない場合は、お客様に連絡し、ご依頼内容の変更をお願いしなくてはいけません。船便が決定するまでその繰り返しで、必要以上に手間と時間がかかります。
また輸入側に関しては、荷物の位置情報を把握できない問題があります。こちらで出入港や運送状況を確認して連絡をしても、リアルタイムで情報を伝達するのは難しく、ブラックボックス化してしまうのです。
そこで、これらを一元管理できるようなサービスが必要だと思い、起業することにしました。
●日本国内において、Portrichの競合はいるのでしょうか?
現時点ではあまり見かけません。DXされたサプライチェーンに対して需要があることは想像できていながらも、この業界、特に日本においてはフォロワーとしての競争戦略や起業が目立ち、ニッチャーとして新しく市場に足を踏み入れる人や企業は少ないという印象です。
やはり、リーダーやチャレンジャー的企業の事業の真似をすれば、研究開発コストをかけずに利益を得ることができるので、ドイツやアメリカに同様のサービスを提供している大手はいるものの、アジアではまだ少ないと感じています。
●起業まで3年というのは非常に早いと思いますが、なぜ権藤さんは起業に踏み切れたのでしょうか。
気持ちだけではありませんが、このビジネスに需要があることが分かっていて、そこに「失敗しても別に死ぬわけではない」「この業界を人生を使って変えてみたい」という心持ちがあったからだと思います。これは大学時代の体験と性格が影響していると思います。
※大学時代やベトナム進出については、Luatsu版で詳しく伺っています。併せてご一読ください。
システム開発について
●システム開発ではどのような苦労がありましたか?
資金調達、そしてエンジニアとの関係に苦労しました。
まず資金調達ですが、前職退職時、手持ち金は120万円と余裕がなく、実家を離れて友人とアパートを借りて一緒に暮らすようになってからお金は減る一方で最終的には40万円まで減り、焦燥感に駆られました。
その後、きちんと事業と向き合い、事業計画も立てたうえでシードラウンドで投資を受けることができました。
しかし、私自身がエンジニアでもなかったために、最初はどのシステムの開発にどれほどの時間がかかるのかが分からず、エンジニアと衝突することがありました。資金調達のお金も使ってシステムを構築していたのですが、一度開発中のシステムに大きな不備が見つかって、最初の要件定義から全て作り直さないといけなくなったことがあります。そのときは、メンバー全員のメンタルが折れてしまうくらい大きいトラブルでしたが、なんとか乗り越えて新しくシステムを開発し、現在のPortrichシステムになっています。
毎日困難の連続ですが、常に前向きに取り組んで克服するしかないかなと思っています。
●システムについて、ユーザー側からはどのような反応がきていますか?
「見やすい、使いやすい」といった声をよくいただいていて、好感をもっていただけているという印象です。
具体例を挙げると、たとえば、運送の際に特定の貨物は経由地から持ち込みを拒否されることがあります。しかし、Portrichのプラットフォームでは経由地の情報が事前に画面上で「見える化」されているので、これは問題ではなくなりました。
他には、以前はExcelでスケジュール等の管理をしなくてはいけなかったところ、弊社のサービスでは気軽にチャットが利用でき、またメールも1日2回送られますので、毎回Excelに打ち込む必要はなくなりました。利用にあたっては、パソコンさえ使えれば特に大きなハードルも存在しないので、お客さまからは今現在好意的なお言葉をいただいております。
今後も更にユーザーが使いやすいようにシステムを改善していく予定です。
今後の事業展開
海外展開とそのための人材調達を行います。
まずはベトナムに拠点を作ろうと考えています。その後はIPOなども通過点として視野に入れながら、ベトナムの他に東京、博多、神戸、横山、名古屋などに拠点を構え、自社輸送機なども備えた総合物流会社として成長していきたいです。
ゆくゆくは、「国際物流といえばPortrich」と言われるような企業になり、DXされたサプライチェーンをこの業界のスタンダードにしていきたいです。
採用情報
海外展開もしていくので、次の調達後には様々な人材を募集していく予定です。
現在は、システムの構築も進み、多数のお客さんに使っていただきたい時期にきているため、特に日本国内で働けるセールスとセールスマネージャーを募集しています。
スタートアップでのセールス立ち上げを日本国内で1からやってみたいという方、Portrichに共感いただける方はぜひお気軽にご連絡ください。フォワーダー経験の有無は問いません。
もしご希望があれば、以下からご連絡ください。
株式会社Portrich
メールアドレス:recruit@portrich.com
株式会社Portrichのウェブサイトはこちら